文房具マニア

文房具マニア

もう十年以上前の話になりますが、私は大手家電メーカーの子会社に派遣社員として勤めていました。

仕事はいわゆる営業事務。毎日、伝票の整理をして、請求書を作って、電話を取って。商品の受発注と請求業務が私の主な担当で、やりがいとかキャリアアップとか、そういう言葉とは程遠い仕事をしていました。

退屈な職場ではありましたが、職場に行くのは別に嫌ではありませんでした。

同じくらいの年齢の女の子たちが他にもたくさんいましたから、お昼休みやアフターファイブは食べ歩きや習い事でけっこう充実していました。上司の目も寛容で、仕事が暇なときにはコーヒー片手に雑談に花を咲かせていても、何も言われなかったからです。

ある昼休み、先輩社員と一緒に「千趣会・マンスリークラブ」のカタログを見ていた私は、「月刊ちょこちょこ」というユニークなネーミングの商品に目が釘付けになりました。

千趣会オリジナルのキャラクターがデザインされた、ちょっとしたグッズやステーショナリーが小さな箱に入って毎月届く、というものです。

「あ、これ、かわいい」

箱の中に何が入っているのかは開けてからのお楽しみ。実用的なような、そうでないような、微妙なグッズもありそうでしたが、390円というプチプライスもかなり魅力的でした。

こうして毎月、職場に「ちょこちょこ」が届くようになって、私のデスク回りは一気に楽しくなりました。スタンプや付箋、大小のクリップ、ポチ袋、スティックのり、メモ帳、本当にバラエティに富んだ物が月に3~4種類ほど入っていて、お値段以上に楽しめたものです。

「この付箋、面白いね。どこで買ったの?」

営業さんたちにも好評でしたし、残業を手伝ってくれた同僚にお菓子をお裾分けするときなどもポチ袋が大活躍でした。

別の会社に移ることになったときに「月刊ちょこちょこ」はやめてしまいましたが、今でも数種類のアイテムが私の手元に残っています。

思い返せば、小学生の頃から私は文房具と名前の付くものが大好きでした。クラスで流行っているようなありきたりの物ではなくて、ちょっと個性的な消しゴムとか定規とか。授業が退屈で仕方ない時など、自分の筆箱の中身を眺めては時間潰しをしていたものです。

ありきたりの日常にささやかな幸せをくれた文房具を見ていると、あのころもけっこう楽しかったわ、と思えるから不思議です。

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正論が絶対正しいとは思えない

先日、保育園へ子供のお迎えに行ったら、同じクラスのお母さんが2人喧嘩していました。

驚きながらも帰宅の準備をしていると、嫌でも内容が聞こえて来たんです。

どうやら一方のお母さんが、もう一人のお母さんから何やら怒られているようでした。

怒られているお母さんは子供に厳しく、子供嫌いを公言している方で保育園のママ友グループの中でも何かと噂になる方でした。

反対に怒っているお母さんは、子供好きと有名で元々相性は悪そうな2人なんですよね。

確かに怒られている側のお母さんは、自分のお子さんに手をあげることもあるらしく、園内でもお子さんを怒鳴ったりしてるのを聞いていたりはしました。

けど、私は彼女が自分でも何とかしたい 、自分の子を可愛がりたいって気持ちを持ってて、児童相談所に相談したり本人なりに努力しているのを知っていたので、

一方的に怒鳴られている状況にハラハラしました。

怒ってる側のお母さんは、怒鳴っている間にだんだんヒートアップしてきて「あんたは正常な母親じゃないから!」なんて言い出したんです。

私は内心「それは言い過ぎでしょ!」と思ったんですが、あまりの雰囲気の悪さにとても入っていけず黙々と帰宅準備をしていました。

不思議だったのは、保育士さんが傍にいるのに何も言わなかったことです。

2人を止めることもせず、ただ傍にいるのです。

周りの迷惑にもなるんだから止めればいいのに・・・。

数日後、怒られていたお母さんと話す機会があり「大丈夫?」と聞くと、

彼女は笑顔で「あの人が言ってたことは正論だし、いろんな考えの人がいるからね・・・」と言ってから、「でもね・・・」と話してくれました。

あの帰宅後、彼女のお子さんは泣き続けたそうです。

「ママが悪いんじゃない!」、「ママは悪くない!」とずっと泣いてたって・・・。

正しいことを言っているからって、何を言っても良いってことじゃないですよね。

それで守ってあげたいと思った子を泣かせていては、本末転倒です。

彼女自身の人格を否定するようなことまで言った、怒ってた側のお母さんとは私も今後関わりたくないと思ってしまいました。


2012 文房具マニア